遊学芸

「人を育てるゲーム」を目指してテーブルゲームを作成しています。コミュニケーションとゲーム研究会始めました。

『科学と社会をつなぐゲームデザイン』の講評会がありました!

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遊学芸の保田です。
先週、東京大学駒場キャンパスで行われた『科学と社会をつなぐゲームデザイン』に学習ゲーム開発のアドバイザーとして、2日目から参加しました。

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学生がゲーム制作にかけられる時間は10時間程度でした。
その中で学生たちが作ったゲームのクオリティは十分に高いものです。
講評会では、社長や大学教授、他大学の学生の方々がいらっしゃり、講評が行われました。
学生たちのつくるゲームのクオリティの高さが評価されつつも、学習コンセプトを学ぶことに適したゲームルールの検討や、%や割り算を使う複雑な計算方式、大量のイベントカードの必要性などが問われました。

私自身の補助力不足も否めませんが、学生たちが多くのゲームルールを知ってから取り組めるような仕組みが必要だと感じています。
コンセプトが決まっても、考えているルールが曖昧な状態では、学習コンセプトに適したゲームルールへとアドバイスするのは難しく、結果、学生の考える学習コンセプトに当てはめたゲームルールが固まってからのアドバイスとなってしまいました。

次回、また教育ゲーム開発の補助者をするのであれば、そういった反省点を生かしたアドバイスをしたいと考えています。

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以下は、各卓の様子です。
時間的都合や、コンセプトに適したゲームルールの議論ができていないのに、こちらからコンセプトに沿ったゲームルールを教えるのはいかがなものかと思い、あえて伝えなかった部分があります。
もし、これを参加した東大生の目に触れることがあれば、こんな考え方もあったのだと知ってもらえれば嬉しい限りです。

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①は、「農業主となり、3つの農法を選び収益を上げる農業経営ゲーム」です。
土地をカード化し、技術力を別シートにして管理していた点に工夫が見られました。
遺伝子組み換えや有機栽培など様々な方法があるなか、どれが良くてどれが悪いという話ではなく、その農家ごとに適したやり方があるということを伝えたいはずでしたが、経営ゲームの面が強くなってしまいました。
農家ごとに適したやり方があるのであれば、プレイヤー全員が共通の状態からスタートしない形で行う方が、コンセプトとゲームルールとの整合性が取れたように思えます。
今回、言わなかったこと:ルールを根本から変えるので伝えなかったのですが、ケーススタディのように、農家の状況をいくつか用意し、それぞれの農家に適した栽培方法を提案する議論型のゲームであればコンセプトにもっと合致したかなとも考えました。

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②は、「市長となり、共有資源の自然を破壊、保護する都市開発シミュレーションゲーム」です。
説明書まで作っていたこともあり、全員が安定してファシリテーターを務められていました。また、立体のボードやルールの分かりやすさが好印象で、完成度は一番高かったです。
イベントカードが多く、教育面で考えるならイベントカードの適用も共有化した方が、開発物の違いによる各プレイヤーの差がはっきり出たように思えます。
今回、言わなかったこと:立体ボードの中央にある山の形が椀状であれば、環境を表わすチップが全員共有であると分かりやすくなっただろうと思いました。また、カードを置くのであれば、川を水色粘土で盛り上げるのではなく、青線引くなどしてカードを置くことへの配慮を考えるべきでした。

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③は、「特定厨と一般人に分かれ、SNS利用者の個人情報を特定する情報隠匿/特定ゲーム」です。
今回、開発した中では一番ユニークなゲームでした。コンセプトとゲームルールも合致していて、ツイッターなどのSNSによる個人特定の怖さ、気持ち悪さが表現できていました。
ゲームとしては、個人特定する側の負担が大きいため、それを補助する要素がもっと欲しかったように思いました。
今回、言わなかったこと:コンセプト自体がSNSによる個人特定の怖さというマイナス面のため、SNSをしないのが正解にならないよう、SNSによるプラス面も盛りこめられればもっとよかったと思いますが、時間的に厳しいものでした。

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④は、「国の指導者となり、食糧と資金をやり取りする隠匿型の貿易交渉ゲーム」です。
実在する国の指導者となって食糧・資金をやり取りするというゲームで、国家間で数値差が何十倍と激しいのが新鮮でした。
割り算という少し大変な計算方式ではありますが、国家間の国力差を母数で変えることにより、得点が競い合えるようにしていたのは工夫が見られました。ただ、イベント発生は煩雑だったので、もっと簡易な方がよかったでしょう。
今回、言わなかったこと:数値以外でも国家間の格差を表わせるでしょうし、統計学などの手法を用いる形で科学部分を表わすなど、独創的なルールを考えてもらいたいと考えていました。

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⑤は、「社長となって、人かAIを雇用/購入して営業するタクシー会社運営ゲーム」です。
近未来を舞台として、AIと人間の社会の在り方を考えるのが他とは違う視点でした。
イベントづくりには、エクセルを使うなど、情報の管理をしながら緻密な計算による表現をすることで世界観を表わせます。今回、AIがゲーム中不評だったのは、このゲームにおいてAIはイベントにより事故を多発する迷惑な存在と化していたからでしょう。
今回、言わなかったこと:普通自動車と完全AIカーとの事故検証や、個人目線の幸福度とAI化による反比例など他にない独特なものがある中、無難なものにまとまってしまったのが残念に思えます。

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⑥は、「山の所有者となって、山の生態系を維持するシミュレーションゲーム」です。
食物連鎖の生態系を時関経過による変化でシミュレートするゲームでした。
生態系がどんどん変化していく様子を見ているだけで面白かったです。
下位生物があまりに多くなると、チップで表わすのが分かりにくくなってしまうのが難点でした。
今回、言わなかったこと:人間が介入することで生態系に変化が起こり、人間が手を加え続けないといけないという話だったはずが、いつの間にか動物保護が中心になってしまった感があります。

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